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魅惑のプーリア …71

バーリの空港

ワールドカップの決勝戦を明日に控え、空港へ向かうタクシーの中ではワールドカップネタのラジオがずっとかかっていた。
電話でインタビューを受けている少年が「トッティは好きじゃない」と言っていた。

1時間もかからずに、タクシーは空港に到着。
来るときはブリンディシだったので、バーリの空港には初めて来ることになる。
どんな雰囲気かと少しどきどきしていたが、そこは驚くほど清潔で近代的だった。

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チェックインが開始するまでの間、私たちはベンチに座って、交代で荷物をみながら空港探検をした。
・・・といっても、綺麗ではあってもたいして広くないので探検もすぐ終ってしまったのだが。

私たちがくつろいでいると、ひとりのお兄さんが英語で話しかけてきた。
どこへ行くのかとか、イタリアはなぜ好きなのかとか、
君の住んでいる街はどのくらいの大きさか、とか、
いわゆるよくされる質問をいくつかされながら英語とイタリア語まぜこぜでしばらくお喋りをした。

こんなとき、たいていきかれるのは人口について。
まったく知らない日本の街の規模を想像するのに、イタリア人はよく
「君の住んでいる街の人口は?」
という質問をしてくる。
これに、ちゃんと答えられたためしはない。
毎年、自分の住んでいる街や、最寄の大きな街の人口をちゃんと調べよう、
そんなことも答えられないなんて、かなり恥ずかしいよね、と思うのだが、
帰ると忘れてしまい、また翌年同じ質問の前で絶句するというのを繰り返す。

今年は「横浜の近く(現実的にそう近くはないが、地球規模での会話では近くと言っていいだろう)」に住んでいると言ったため、横浜の人口をきかれた。
「だいたいどのくらい?」
とききなおされても答えられなかった。

ただ横浜というのはイタリアでもけっこう知名度が高くて、「港のある街」として知っている人も多い。しかしここはプーリア。・・・。
ちなみにそのお兄さんはGravinaに住んでいて、私たちがGravinaを知っているということに驚いていた。
しばらく喋ると彼は「Buon viaggio !」と言って去っていった。
彼の名はまたアントニオ。 友人Kは言った。
「あんまりステキくないアントニオだったね。」

いくつもある天窓からイタリア最後の陽射しが差し込んでいる。
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ゆとりを持って早めに着たので私たちはずいぶん暇をもてあました。
なかなかチェックインカウンターが開かない。国内線だしねぇ。

広々とした本屋があったので、私たちはぱっつぱつころんころんの鞄を引きずりながら、本屋をじっくり見ることにした。
                                          《つづく》
by agrumi | 2006-11-09 21:22 | 魅惑のプーリア


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