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チンクエテッレ帰国後談話18・・・3つ目の街、コルニリアへ向かう

チンクエテッレ帰国後談話18・・・3つ目の街、コルニリアへ向かう_c0101985_14265627.jpgチンクエテッレ帰国後談話18・・・3つ目の街、コルニリアへ向かう_c0101985_14251638.jpg



















リオマッジョ―レからマナローラは徒歩で移動しましたが、マナローラ観光の後は再び鉄道駅に向かい、お隣のコルニリアを目指します。

岩壁にそそり立つようにしてある鉄道駅から海を眺めると、乗客をたくさん乗せた船がリオマッジョ―レの方に進んでいくのが見えました。あれは、昨日私たちが乗っていた船です。
昨日は向こう側からこっちを眺めていたのです。
昨日「ああ、明日はあっち側を歩くんだ…」と、海の方から眺めていた陸地に今日は本当にいるのですから、当たり前といえば当たり前ですが、なんだか少し感慨深いモノがあります。

これから向かうコルニリアは、5つの街の中で唯一港がない、陸路からしか行けない断崖絶壁の頂点にある街で、鉄道駅に着いた後、何百段もある階段をひたすら登らなくては街に到達できないという前情報です。

私は若いころと違って既に体力にはまったく自信がないのですが、それでも苦労した後の達成感は好きなので、階段登りはさほど恐怖ではありませんでした。逆にやや張り切り気味で楽しみにしていたくらい。
しかし同僚Iと先輩Aは、この階段登りに恐れおののいていました。
階段を見てみて、あんまり大変そうだったら街には行かないで下で待っている、とさえ言っていました。
だけど、もちろんせっかくここまで来てコルニリアの街に行きたくないわけではありません。
ただ、階段を登るのが不安なだけで、それさえ解決できればみんなで街歩きを楽しみたいのは当然です。

そんな気持ちは、ある種の観察力や洞察力を研ぎ澄ますのかもしれません。

チンクエテッレ帰国後談話18・・・3つ目の街、コルニリアへ向かう_c0101985_14414196.jpgコルニリアの駅に着くなり、先輩Aは「ねえ、あのバス、何? パスが今走って行ったわよ。電車から降りた人たちが乗って行った。あれで街まで行けるんじゃないの?」
と弾むように言いました。
「え、バス?」
私には、そのようなものは全く見えませんでした。
モンテロッソの路地で魚屋を見つけた時もそうでしたが、先輩Aの"眼"には、ひたすら感心するばかりです。と同時に、自分がいかに周囲に関心を払わずにただぼーっと歩いているかが思い知らされます。

駅を出てから何百段の階段に直行するのではなく、私たちはまずバス乗り場を探しました。
「あの辺、あの辺、あの辺りからバスが出てたのよ。」
と、先輩Aは私たちを誘導します。


チンクエテッレ帰国後談話18・・・3つ目の街、コルニリアへ向かう_c0101985_14484178.jpgそしてわりとすぐに、私たちはバス乗り場らしきものを見つけました。電車から降りた人がみんなそこになだれ込む…というわけではありませんでした。
でも、20人弱くらいの人たちは集まったでしょうか。

こんな感じの時刻表(この写真は街から駅へ帰る時のものです)があって、さっき先輩Aが見た時、既にバスは発ってしまっていたので、次のバスの時刻を調べます。
すると10分程度でまた来ることが分かりました。

「そういえば…チンクエテッレカードを買うとき、駅のおじさんがバスにも乗れるようなこと言ってた。このバスもそうだったんだ…。」と、私はあやふやなイタリア語理解をあやふやに辿り思いました。

私たちは、そのバスで街に行くことにしました。階段がなくなってしまったのはちょっぴり残念だったけど、やはり目の前にこれだけ安易な方法があると気持ちは引かれます。しかもチンクエテッレカードで乗れるのです。「階段で来てもいいのよ、私たち上で待ってるから」と言われましたが、私もバスに乗せて頂きました。

やはり現地での情報収集は大事です。
都市観光は情報が整理されているので、こういうことはあまりないのですが、日本人にまだあまりメジャーではない地域は、こういうことがままあります。
このバスのことも日本のガイドブックには全く載っておらず、階段を登らなければコルニリアには辿りつけないかのようでした。

そこのバス乗り場で、私たちは年配の日本人夫婦に会いました。レンタカーを借りながら、ヨーロッパ旅行をしているというリッチな方々。今日は鉄道を利用してチンクエテッレ巡りだそうです。
しかし彼らはチンクエテッレカードのことを知らずに購入していませんでした。
他のすべての観光客がチンクエテッレカードを示して悠々と乗車していくのに、彼らのところで列はいったん止まってしまいました。
ご主人が運賃はいくらか、ときいているのに、運転手が「チンクエテッレカードで乗れる」と答え、同じ問答をしばらく繰り返していたのです。運転手にしてみたら、チンクエテッレカードを持たずにこの辺りを巡っているという発想がなかったようで、彼らがカードを持っていないことを運転手が理解するのにしばし時間がかかりました。
ご主人は悠長な英語で運転手と会話をしていました。運転手さん、英語が苦手だったのかもね。

奥さんは私たちのカードを見て、「そんなのあるって知らなかったわ―。」と不満そうに言っていました。
確かに、日本のガイドブックでは私の知る限りこのカードについて触れてあるものはありませんでした。

チンクエテッレ帰国後談話18・・・3つ目の街、コルニリアへ向かう_c0101985_1573174.jpgただ、登らなかった階段は、いったいどのようなものだったのか、少し気になります。
帰りはバスの時間が中途半端だったので、「下りなら階段でもいいか」と、階段から帰りました。

その階段がこちら。

はるか下の線路の方まで続いています。こりゃ確かに登ったら登りでがある階段です。
でも、降りるのはあっという間でした。

階段からはけっこう雄大な景色が望めるのですが、階段がまた中途半端な歩幅で降りにくく、下ばかり見て歩いてしまったせいで景色はあんまり眺められませんでした。

それにしても、上りというのはうきうきするモノですが、下りというのは哀しいモノですね。
by agrumi | 2013-05-28 15:17 | チンクエテッレに住みに行こう!


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